まず、今回の遠征のいちばん驚いた収穫は、酒井宏樹の守備だ。ネイマールもメルテンスもほぼ徹底的に抑えていた。スピードのあるドリブラーに対する距離の寄せ方が抜群なのだ。なまじリーグアンのレキュラーを張っているのも伊達ではないのだ。だがしかし、気になる点もあって、ブラジル戦の3失点目のジエズスも、ベルギーの失点のシャドリのドリブルも、日本の右を抉られていて、宏樹はなんでペナルティエリア内まで戻ってなかったんだって、ゴール側からの映像で遠目で観ていた宏樹の姿が気になった。
で、この2試合で確実に経験値を積んだのは槙野のように思えた。デフェンスのなかで唯一の国内選手。吉田も宏樹も長友も普段の延長戦でやってたようだったが、槙野はグングンとなにかを吸収していたようだった。それもこれまでの槙野のなかで眠っていた海外経験が奥底から立ち上がってきたからであるように思う。
というのも、ひるがえって、ボランチの国内選手の山口と井手口はハッキリとした何かを得たようには思えなかったからだ。ヨーロッパリーグのトップ選手たちにどのように対処すればよいか、最後まで、有効な解決策はないまま、優れた身体能力のままにただ走り回っていたように思う。押し上げてくる過去の経験がなかったのだ。Jリーグとは異質なクオリティに戸惑ったままだったのだ。ふたりとも即刻海外へ行ったほうがいいけど、山口くんは行ってすぐに戻ってきた経緯があったっけ。井手口にはすぐにも海外へ行ってほしい。
んで、ウイングだけど、右は浅野より久保がいいな。浅野のいいところはスピードで、走るスピードもそうだが、考えるスピードも単細胞でよいのだが、だがドリブルもトラップもポストポレーもパスも下手くそなので見ててイライラする。ボールを失いすぎる。それに比べ久保はもっとクレバーだ。攻撃を組み立てることができる。しかし、意外に周囲に影響されるのか、試合による出来不出来が激しい。たぶん、本来はサイドの選手ではないせいだろうと思う。
左は守備を考えてハリルは原口を選んでるんだと思うけど、僕は乾のほうがいい。長友とのコンビネーションがいいし、ハッキリとした攻撃の形を作れるからだ。ブラジル戦でもベルギー戦でも長友&原口は攻撃の形が作れなかった。
結局、中央で奪ってサイドで組み立てるという、ハリルの戦術では、右も左も前と後ろの相性が重要なのだ。長友と原口のコンビネーションが良くないのが気になるのだ。
さて、攻撃的なミッドの話であるが、ハリルはもうこのシステムで行くんだろうし、そうだとすると、ベルギー戦の森岡もそうだったけど、香川にはもう活躍する場所はないなと思う。ハリルの求めるインサイドハーフは前半の長澤のように奪って繋げる選手で、ペナルティエリアに入っていく選手ではないのだ。トップ下はいらないのだ。
長澤は繋げるというだけで井手口よりも山口よりも長けていて、それでいて奪えるのが香川や森岡よりも長けていて、そして海外経験もあるという存在。ないのは代表経験だけだ。
フォワードは大迫でも杉本でも岡崎でも、誰でもいいと思う。3人とも好きだしね。
追記。ハリルのサッカーは強い相手に対する現実的なサッカーなんだけど、まあ面白いサッカーじゃないし、日本人にあったサッカーだとも思えない。集約すると、ゲームを組み立てるボランチのイメージの問題で、ガツガツ守備するだけでなく、やんわりとゲームを組み立てる遠藤や中村憲剛のような存在を無視しているところが気にいらないのだ。たとえば、今夜のベルギー戦で言えば、卓越したテクニックと冷静な戦術眼でたくみにボールを散らしていたベルギーのデ・ブライネなんかをハリルはどう見ていたんだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿