2016年5月17日火曜日

憲法のこと、その1「最初にあるのは自由」

改憲のはなしになると
とくに9条とか緊急事態宣言とかが注目されるけど、
自民党の「草案」はそればかりじゃない
たくさんのことを変えようとしている。

いまボクの前にある、
「憲法は誰のもの? ー自民党改憲案の検証ー」
(岩波ブックレット/2013年7月4日発行)
にはこうある。

ーー(自民党の)草案には、立憲主義をはじめとした現行憲法の基本を骨抜きにする多くの問題点が含まれています。それは以下の4点に集約することができます。

1)立憲主義の放棄
2)平和主義から戦争ができる国へ
3)天皇の元首化と国民主義の後退
4)人権の縮小と義務の拡大

憲法は、そこに守るべき価値を定めて国家権力に守らせ、それにより個人の尊重という憲法の究極の価値を実現するための装置です。これを立憲主義といいます。現行憲法は「守るべき価値」として人権尊重主義、平和主義、国民主権を書き留めています。ところが(自民党の)草案は、天皇を国の頂点に位置づけてその権威を利用する一方、人権を縮小して義務を拡大し、戦争を含めた国の権力行使を容易にすることを狙っています。

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まあ、つまり、基本的人権も国家主権も平和主義も、
今の憲法の価値のすべてを弱体化しようというのが自民党の草案なのだけど、
むかしのこと。戦前の思想の影響をたっぷりと受けた、ボクの父親がよく言ってたこと…

ーー人間は義務を果たしてはじめて自由があるんだ!それではじめて好きなことをやっていいんだ!

こんなような考え方はいまでもこの国の暗い底辺にあるんじゃないかと思う。

けど、そんなこと、今の憲法はちっとも言ってないんだ。

最初にあるのは「自由」。

これが今のボクらの憲法に書かれていることだ。

「義務」はそのあとに、各人の自由を阻害しない、社会的な不利益を生み出さない範囲で生じてくるもの。

最初にあるのは「自由」。

それこそが長い時間をかけて、人間が国家とともに生きるために、ヨーロッパの哲学が見出してきた人類普遍の価値なのだから。

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